プロジェクターから表示される映像が一瞬だけブラックアウトしたり、モザイクのような状態になってしまったことはありませんか?そんな症状が出てしまうと非常に困りものですよね。発生頻度が低いと原因を見つけるのは困難です、頻発してしまって使い物にならなくなってしまう前に原因を見つけて対象しておきたいところです。今回はあれ?おかしいな?と少しでも気づいた時にチェックしておきたい3項目と対応策をご紹介いたします。
原因のチェック
【その1】再生デッキやディスクの原因
ブルーレイやDVDで読み取りエラーが発生している。
ディスクにキズがなくても目に見えないキズ、運悪く読み取りエラーとなることがあります。とりあえずデッキを交換してみてその後に症状が発生しないならデッキが原因、再発するようであればデッキは正常と切り分けることができるので先ずはデッキ交換がお勧めです。
【その2】HDMIケーブル/コネクタの接触不良
これが原因であればコネクタを触ったときに症状が再現する可能性がありますが再現しない場合でもコネクタの抜差しを3回ほど行ってください。行うことで電気接点が擦れて接触不良が解消されます。ケーブルが強く曲げられた状態で固定されていると途中で接触不良になっていることもあるため、怪しいケーブルは原因切り分けのためにも交換がお勧めです。
【その3】映像伝送経路への干渉
一般的なHDMI機器とケーブルは外部からの電気的ノイズに強くありません。そのため飛来電波・インカム(トランシーバー)・電源コンセント経由で建物の他の機器からのノイズを受けることもあります。
- 飛来電波
トラックが通ると自動ドアが開くという話を聞いたことがないでしょうか。トラックの使用する無線には強力なものがあり干渉して映像が途切れる可能性があります。理論的には間違いなく起こりえますが確認は困難です。
近くに国道があり時間帯が限定されるなら可能性は高いと言えます。 - インカム(トランシーバー)
HDMI分配器や延長器の近くでインカムを発信すると映像が途切れることがあります。インカムでDVDデッキのトレイが開くなんて誤動作も過去にありました。インターネットでは使用は違法となる強力な海外製トランシーバー(10km離れて通話可)も販売されておりこれも心配です。 - 電源ノイズは家庭では問題になることはありませんが(ピュアオーディオ界は除く)レストランや商業施設には大型の電化製品(エレベーター・大型ロースターなど)があり、発せられた電気ノイズが電源コンセント経由で映像機材にも到達・干渉が起こります。
原因究明と推測
- いつ、どの程度、どんな画面になったかを全てメモに残す。
一度の発生では判断できなくても回数が増えると曜日や時間帯の傾向が見える可能性があります。 - インカムがある場合は近くで使って映像が途切れないか確認します。
- 再生デッキと短いHDMIケーブルは交換する。
可能性を潰すために安価に交換できるものは交換してしまいます。これで収束すれば原因はデッキorケーブル、再現するならデッキとケーブルは問題がないと切り分けできます。 - 飛来電波の測定を行う。
どのような電波が届いているかを測定器で計測します。何日も測定し続けすると費用が凄いことになりますので曜日の傾向が絞り込めてからがお勧めです。 - 電源ノイズの測定を行う。
飛来電波と同様、曜日の傾向が絞り込めてから測定しないと何も異常が測定できない可能性が高いです。
対策と予防策
飛来電波が原因の場合
映像機器をノイズに強いものに変更することで解消する可能性があります。HDMIケーブル・分配器といった映像機器には放送局や工場で使用することを想定としたノイズに強い設計の機器があります。全部を交換しないと効果がない場合、分配器だけノイズ耐性に交換して効果がある場合などケースバイケースではあります。
電源ノイズが原因の場合
電源コンセントと機材の間にノイズカットトランスという機器を設置することで映像が安定することがあります。
最後に
発生頻度の低い映像の途切れ・ノイズの原因を特定するのは困難です。発生したら先ずデッキとケーブルを交換して再発するようならノイズカットトランスを試験的に設置、それでもダメならノイズ耐性のある機器を試験設置と、可能性を消していくのが遠いですが最前の道のりです。